観光船・遊覧船を始めよう ~被保険者は誰にする?(海上運送法19条の2)~
- sanwa-office
- 2016年1月12日
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観光船・遊覧船を始めるためには、旅客1人につき保険金が3000万円以上である船客損害賠償責任保険の締結が必要です(海上運送法19条の2)。
これは、不幸にも旅客が船舶事故により負傷等をした場合に発生する損害賠償債務(民法709条)に係る観光船・遊覧船事業者の支払能力を担保する、という趣旨です。
そうすると、船客損害賠償責任保険の保険金の受取人は、当該観光船・遊覧船事業者であるべきということができます。
ところで、損害保険の被保険者とは、「損害保険契約によりてん補することとされる損害を受ける者」をいいます(保険法2条4号イ)。不幸にも旅客が船舶事故により負傷等をした場合、観光船・遊覧船事業者は、その意味で金銭的損害を受ける者に該当します。そして、そのような「損害を受ける者」は保険会社よりてん補される(同条)ので、損害保険の場合、保険金が支払われるのは(保険金を受け取ることができるのは)、被保険者ということになります。
したがいまして、(特に船客損害について)誰が被保険者なのか、ということは、上記「3000万円以上」と同程度に重要です。是非ともご注意ください。
なお、損保ジャパン日本興亜のヨット・モーターボート総合保険では、搭乗者は、旅客であろうとなかろうと、補償の対象になるとのことでした(損保ジャパン日本興亜の担当者の回答)。
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